旅立ち。(Kira)
誰かを殺したくないのならば剣を取らねばよい。
誰かが傷つく姿を見たくないのなら、目を塞げばよい。
悲鳴を聞きたくないのなら、耳を塞げ。
現実から目を背けて、自分の幸せを考えればいいんだ。

でも…ね。
そうしたって、目を瞑ったって何も変わらないから。
逃げてちゃいけないんだ。

そうしている間に、大切なものを失ってしまうかもしれないから。
何が正しくて、何が悪いかなんてわからないけど。
僕は、自分の目で見たものしか信じない。

だから、僕は行くよ…真実を確かめに。
己が進む道を探しに。

自由のツバサで…






ねぇ会いたくてたまらないんだ(A*K)
「シン、あの地球軍の女の子を帰す為に勝手に発進したんだって」
「えっ?それってヤバくないか…銃殺ものだろう。」
整備班の少年達の話し声が聞こえてきた。
シンが、自分の部下が大変なコトをしたという事も理解していた。
でも…頭に浮かんできたのは
「隊長?どうかしたんですか…」
横に立っていたルナマリアの声で現実に呼び戻される。
「いや、昔の事を思い出してね」
「昔の事?」
彼のコトを思い出すと、自然と眼が細まるのが自分でも分かる。
「俺の知り合いで、シンと同じ事した奴がいたんだ」
敵対していて、戦って傷つけ合っていたあの頃。
分かり合えたと思ったのに、どうしてまたこんな事になったんだろう。

「その人は…隊長にとって大切な人なんですね」
「えっ?」
「だって、話をする隊長の瞳…とても優しそうだったから」
それっきり、ルナマリアは前を向いたまま無言だった。

ねぇ、シンの事を聞いたとき真っ先に浮かんできたのは君だった。
気高き色の瞳の、泣き虫な俺の幼馴染みであり…大切な人。

無性に、ねぇ…君に会いたいんだよ。
君に触れて、その体温を確かめたいよ…
会いたいよ、キラ。

こんなに求めているに、心も体も遠いね。
俺とお前はどうして、また離れてしまったんだろう?






決意の瞳(sin)
涙は、全て家族を亡くした日に。
軍に入って、軍人になった時に捨てたんだ。
泣かない、と強くなるまでは決めた。

大切な誰かを守る力を。

力さえ有れば、大切な人を守る事が出来るから。
敵を全て排除すれば、幸せな世界が来るから。
もう誰も泣かなくていい世界が来るから。

大切な人が出来た。
でも守れなかった…心優しい人。
運命に巻き込まれて、利用されて殺されて。
涙が出た、泣かないと決めたのに。

自分が弱かったから、彼女を失った。
折角彼女を救おうとしたのに、あれが邪魔をしたから。
あれさえいなければ…

涙を拭って、俺は前を向いた。
彼女を殺したあれを倒せば…
世界で一番強いあの機体を倒せば、強くなれる。
彼女も喜んでくれる…せめての弔い。
強くなれば、もう泣かなくて済む。
誰も失わずに済むから。

「シン・アスカ、コアスプレンダー行きます!!」
俺の…世界の敵を倒しに。






僕の心を占めるモノ(Kira)
いくつも砲弾が飛び交う中。
一筋の光が…刃が。
爆煙の中を抜けた刃は目の前に。
視界一杯に広がった。

僕は、死ぬのかもしれない。
こんな危機を感じたのは、あの時以来だ。
アスランと戦ったあの日。
向ってきた心は、あの日と同じ思いだった。
憎しみ…大切な人を奪われた事への。
思わず瞳を閉じた。

死ぬのかもしれない…今度こそ本当に。
浮かんできたのは、君の顔。
今また刃を、交えなければいけない大切な人。
ねぇ、僕が死んだら君は泣いてくれるだろうか?
どうせなら、君の手にかかって死にたかったな。

今君は、何処にいるの?
僕の姿をどんな表情で見ているのかな?
会いたいよアスラン…敵だとしても僕は君の事を。
「ーーーーーーっ」
爆発の衝撃を受けて、堕ちてゆく意識の中…思う。
君の事を。

大切な人の事…アスランの事。
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