伝えたい事が、あるんだ。
それが間違いだと、知っていても。
貴方を、誰でもない貴方を選んだ。


自分の部屋へと向う彼女の姿を見たら、思わず手を伸ばしてしまった。
「あ、つもりさん…」
そっと背中から抱きしめて、肩に顔を埋もらせて
体温を、生きている暖かさを感じる。
自分に欠けてしまった、モノ。
「神子。」
声が震えてしまう。
元服の時でさえも、こんなに声が震える事は無かった。
だって、自分は今から…
「なんですか?」
「私は…」

この人の、本来進むべき光の路を閉ざすのだから。
罪深き事、それでも望まずにいられない。
心は止められない。
「貴方が、好きだ。」 ぴくりと、彼女の体が強ばるのが分かった。
そして、ゆっくりと抜けてゆく力。
「知っているでしょ…私が貴方をどう思っているのか。」
「それでも、もう一度聞きたいんだ…貴方の口から。」
だって貴方が告げてくれた言葉は、まるで自分にとっては夢のよう。

そう一夜の夢のごとき。
だから、聞きたいんだ…本当だと夢ではないと確かめたい。

「好きです…敦盛さんの事が。」
静かな夜の廊下に、響き渡った声。
鈴を転がした様な、愛おしいモノ…
「望美。」
勇気を出して、彼女の本当の名を呼ぶ。
はい、と弱々しい声がした。

幸せにできるかなんて、分からないけど。
不幸にしない自信だけは有る。
だからー


「一緒に、生きよう。」


「はい。」
返ってきたのは、暖かい日だまりの笑顔だった。




敦盛には、幸せになって欲しいです。
あんなに薄幸な子は、なかなかいないですよ!!
告白の所、本名を呼ばせるか神子と呼ばせるか
とても悩みましたが、かっこいい敦盛がいいな。
という事で、名前を呼ばせてみました。

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