満月・・・それは人の本性を照らす魔性の光。
「重衝、いるか?」
「いかがなされましたか、兄上?」
燈籠を頼りに書物を漁っていた重衝。
縁側の襖を開ける音に顔をあげれば、珍しく上機嫌な知盛がいた。
「暇か?」
襖の柱に寄り掛かったままで、彼は問うた。
「えぇ、」
ぱたりと書物を閉じると知盛の方へと身体を向けた。
月の光を浴びる知盛の姿は妖艶で、くすりと口元で笑う。

「月が美しい、なぁ?重衝。」
「今宵は望月。天女が舞い降りるやもしれませんね」
少し驚いた顔をした知盛だったが、いつもの様に目を細めて笑うと
「一差し、お相手願おうか?重衝・・・」
まるで人をねめつける様な視線。自分に断る理由などなく。
「至極でございます、兄上」
近づいて来た彼の腕を取った。

望月の下、重衝の笛の音に合わせて知盛は舞う。
男の舞で有るはずなのに、彼のは中性的で・・・酷く妖艶だった。
舞う度に、飛ぶ汗は色香を匂わせ。
天女の姿と見間違う。
「重衝?」
しばらく舞っていると、急に笛の音が止み、知盛は不思議そうに重衝へと視線を向ける。
「私は多くの方と音を、合わせてきましたが兄上が一番でございます。」
柔らかく微笑んで、笛を横に置いた重衝。
「俺もお前のが、一番舞いやすいな。」
くっと、喉で笑って知盛も答える。
それを聞いた 重衝の口元が、三日月のように湾曲し
「兄上・・・こちらへ」
縁側へと手を招く重衝。
有無を言わさぬ、雰囲気に足を運ばせると。


「重衝・・・っ」
首に回された腕と塞がれた唇。
しっとりとした感触と視線に身体に熱が宿る。
「兄上・・・私と一差し舞っていただきますね。」
もう一度、長い口づけで知盛の熱を煽る・・・
後はただ、月の下に二人の影が重なるばかりだった。



絵チャの最中に突然浮かんだモノ。
何が一番難しいって…?重衝の口調だと思うよ…
あの兄弟は、存在が18禁だと。
05/12/29 up___06/1/10 一部修正
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