人は散りゆくモノに儚さを感じると。
僕の下で啼いて縋って
楽になりたいという君は
どうして、こんなに美しいのだろう。
それは、散る間際だから?
それは、イク寸前の表情と同じように
美しい。
ねぇ、狂っているのは
一体どっち??



何も映らぬ瞳。冷たい手足。
心が死んでしまった彼を、僕は。

ただ、抱く事しか…もうできなかった。

か細い声で、自分を求める九郎。
快楽に、堕ちている間だけは
過去を忘れることができるのならばと。
冷たい手を、足を、体を。
獣のように、荒々しく抱く。

嚼みついて、爪を立てて
雪の様な白い肌に、青紫の花を咲かす。
体中に、消えぬ華を。
狂気だからそこ、狂気でも君は美しい。
彼は泣いていた。
自分を壊してほしいと…と。

「もう、痛みでしか『生きている』と生を感じられない」と。

殺してあげる事が、君を救う事だと知っていても
この手に力を入れられぬ、僕を許してください。
僕のエゴを…


だから、僕は。
毎晩、君をこの腕で抱く。



一緒に堕ちてあげるのも、優しさだと思うよ。
汚れなき白に、血の色とか赤紫や青紫は映えると。
狂っているのは、どっちなんだろうね。
でも、この二人にはもうどうだっていい事でしょうけど。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送