心を犯してゆく。
この冷たさ。
心が、化膿して…
疼痛が。
深く、深く…
骨までが
壊疽してゆく。
いっそこのまま、死んでしまえば
楽になれるだろうか?




降る雪の冷たさ、さえも分からなかった。
目の前に映るのは、モノクロの景色。
自分の名を、誰かが呼ぶ声が。
聞こえているのに、体が動かなくて。

目も、耳も、手も、足も。
そして、心も氷ってしまったよう。

お前はただ、何も言わず抱きしめてくれた。
その腕は、暖かくて。
「弁慶…」と、まるで枯渇した樹木のように
彼を求めた。

何もかも忘れたくて、堕ちてしまいたくて
めちゃくちゃにしてほしくて。
ただ、快楽のままに何度も
彼の名を啼いた。
嚼まれた跡も、爪の跡も
冷たい口づけも全部…
心地よくて…
だから願った。

「自分を壊してほしい」と。
それでしか、その痛みでしか
もう自分は「生きている」って
分からないんだ。

心は溶けない氷塊で。
だから、毎晩お前の名を
ただ、啼く。



設定的に、十六夜記の平泉ルートで。
兄上に裏切られて、生きる意味を失った九郎。
痛いですね…
こんなんになっても、九郎はきっと綺麗。
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