日だまりの丘


「ったく、見てるこっちがなんか恥ずかしいぜ。」
どかりと新緑の絨毯の上に座り込んで、ヒノエは呟く。
眼前では、自分の親友と従兄弟が楽しそうに談笑している。
難しい顔をしたと思ったら、急に顔を見合わせて笑ったり
風にあおられた九郎の髪に、敦盛が巻かれたりと。

「あの二人は、意外と似ているんですよ。」
「んだ、よ。アンタか…」
横を見れば、黄金色の髪の叔父がいつの間にか立っていて
目の前の二人に優しい眼を向けている。

「知ってるさ、二人とも生真面目で頑固で自分を大切にしない所とか。」
あと問題を一人で抱え込む所も、と。
今でこそ、よく表情をコロコロと変える敦盛だが
まだかの地にいた頃は、その表情に影が多くて
幼い頃の表情豊かな彼を知るヒノエとしては、心が痛かった。
「九郎も敦盛君も肉親の情を本当に大切にしてましたから。」
大切な兄と決別して、源氏と共にあることを選んだ敦盛。
信じきっていた兄に、不要と言われて追われた九郎。
平泉に行くと決めた時から決別の意を立てるまでの彼の落胆振りは 本当に痛々しいもので。
この自分がかける言葉を、捜してしまったくらいだ。


それが今、笑っている。
偽り無く、心のそこから微笑んでいる。
けれど二人の間に流れている空気は、恋しさや艶やかなモノなど無い。
もう八葉の役目も終えて。
ただのこの地に生きるモノとして、共にある。


愛とかそういうのじゃなくて。
傍にいることを、互いに心を預けると許しあえた空間。
激しく求めるんじゃなくて
隣にいることを、常と思える。
暖かい場所、此処が。
源氏の大将の九郎じゃなくて、平家の敦盛ではなくて。
君が君で。
お前が、お前で在れる場所。

大切な人。
大切な友なんだろう。


「本当に恥ずかしいやつらだ。」
「そうですね、でも嫌いじゃないでしょう?」



大切な人が笑っている場所。

「まぁな。」



九郎さん!!
平和の制定者が、この地の覇者の名を呼ぶ。



きっと此処は、もう一度産まれる場所。





友人との会話中にできた産物。
私は仲良しな九郎と敦盛が大好きです(にっこり)
なんだろ…カップリングとかそういう問題じゃなくて。
二人ともアイドルですから(笑)
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